俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
いまだにふたりで食事もできていない。勤務がバラバラだし、休みの日もお互いに被害を受けた部屋の片づけに引っ越し作業、もろもろの手続きなどをしなければならなかったせいでもある。
無論、入籍もまだだ。来週休みが合う日が一日だけあるので、そこで婚姻届を提出しようという予定になっている。
私の家族には入籍してから事後報告するつもりだ。でないと、父に反対される可能性もあるし厄介になるのは目に見えているから。
天澤さんとは今はただの同居人状態だが、職場で顔を合わせるとき、以前となんら変わりない彼に対して私は予想以上に意識してしまっている。
プライベートでは近い関係で、ふたりだけの秘密を共有しているという事実が胸をざわめかせるのだ。
とはいえ、彼は家でも塩対応である。自分のことは自分でやるスタンスだから、引っ越しの手伝いもしてくれなかったし、とにかく冷たい。
ささいなことで言えば、私が掃除をしようとして、一応気を利かせて自室にいる彼に声をかけたとき……。
『掃除機かけるので、天澤さんのお部屋もついでにやっておきましょうか?』
『こいつがいるからいい』
あっさり断る彼の足元には、ウィーンと音を立てて動くロボット掃除機がいた。