俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「遅いなぁ……まさかディレイしてる?」
ひとりごちながらスマホを持ち、連絡してみようかと考える。しかし、業務の妨げになるかもしれないと思うとためらわれて、結局なにもせずにただ待つしかなかった。
さっとシャワーを浴び、待ち切れず鶏肉をちょうど揚げ終わった午後九時半、ようやく玄関のドアを開ける音がした。
逸る気持ちを抑えてそちらに向かい、靴を脱いでいる天澤さんに明るく声をかける。
「おかえりなさい!」
「ああ」
彼は私を一瞥し、いつも通りのクールな表情で短く答える。この挨拶は最初は少し気恥ずかしかったが、今日は自然に、むしろラブラブな新妻のごとく言えた。
同棲してるって感じだなぁと呑気に思いながら、リビングに向かう彼に続く。
「ずいぶん遅かったですね。トラブルでもありましたか?」
「十五分遅れたがたいしたことはない。戻ったあと、機長に誘われて飯を食いに行ってたんだ」
「えっ」
想定外の理由に、私は唖然として声を上げた。
嘘、もうご飯食べてきちゃったの? そんな連絡もなかったから、帰ってきてから食べるものだと……。