俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「結婚を約束した女がいるってことも言ったが、いまいち信用していなそうだった。だから……」
そこまで口にしたとき、彼は気怠げに片手で制帽を取った。柔らかそうな前髪が、さらりと揺れて目にかかる様が麗しい。
目を奪われた一瞬のうちに、彼は制帽を私の顔を隠すように横に持ってくる。さらに、少し傾けた綺麗な顔が近づいてきて、甘い危険を察知した私は咄嗟にぎゅっと目を瞑った。
……しかし、吐息がかかったのは唇ではなく耳。
「こうやって見せつけておくんだよ。俺にはお前がいるってことを」
独占欲を露わにしたような言葉を囁かれ、ぱちっと目を開けた私の頬がみるみる熱くなった。
びっくりした……キ、キスされるかと! いやでも、周りからは制帽の陰で唇を重ねているように見えたかもしれない。もしや、それを狙っていたんだろうか。
確かに女性を寄せつけなくする効果はあるかもしれないけれど、こんなふうに見せつけたら、私はファンの皆様、特に宮路さんに噛み殺されてしまう!