婚約破棄するはずが、極上CEOの赤ちゃんを身ごもりました
思わずお礼を伝えると、亜嵐さんがフッと笑みを漏らす。
「お客様の君が運んでくれたんだから、お礼を言うのは俺の方だよ」
からかうような口調に、ますます顔に熱が集まってきて困惑するばかりだった。
ふたりに連れてきてもらったイタリアンレストランは、住まいのレジデンスの隣にある五つ星ホテルの中にあった。
セレブしか足を踏み入れられないような豪華なインテリアのレストランで、案内されたのは六人掛けのテーブルのある個室だ。
白いテーブルクロスの上に、三人分のお皿とカトラリーが準備されている。カトラリーはナイフとフォークが何本もあり、その上大小のスプーンまである。
このようなすごいレストランへ入店したことなんてないので、緊張が増していた。
どうしよう……ナイフとフォークくらいは使ったことがあるけれど、こんな数知らない。
最高級レストランに連れてきてもらったのに、これでは料理の味がよくわからないことになってしまいそうだ。
和歌子おばあ様の家で座っていたときと同じ位置に着座して、亜嵐さんがスーツの外国人男性とイタリア話で話している。
少し白髪が見える外国人男性の胸にあるネームプレートには〝支配人〟とあり、和歌子おばあ様もにこやかに会話に加わった。
すごくかっこいい。和歌子おばあ様、イタリア語が流暢だ。
「一葉ちゃん、支配人が勧めてくれたりんごジュースでいいかしら? アレルギーや嫌いなものはある?」
「りんごジュースで大丈夫です。アレルギーはありません」
そう言うと、亜嵐さんが支配人に声をかけ、彼は笑顔で出ていった。
「すみません。私、こういったレストランへ来たのは初めてで」
「まあ、一葉ちゃん。謝る必要なんてないわ。これからは亜嵐にどんどん連れていってもらいなさい」
まだ了承したわけではないのに、すっかり結婚相手と見なされてしまっている。
「和歌子おばあ様、亜嵐さんは私にはもったいないくらい素敵な人です。私なんかよりもっとずっと洗練された女性が――」
「洗練された女性なんて、つまらないじゃないの。私は政美ちゃんの孫の一葉ちゃんだから、亜嵐のお嫁さんにしたいのよ」
和歌子おばあ様は遠い昔の約束を果たしたいと強く思っているみたい。でも、亜嵐さんはその約束の被害者では……?
「お客様の君が運んでくれたんだから、お礼を言うのは俺の方だよ」
からかうような口調に、ますます顔に熱が集まってきて困惑するばかりだった。
ふたりに連れてきてもらったイタリアンレストランは、住まいのレジデンスの隣にある五つ星ホテルの中にあった。
セレブしか足を踏み入れられないような豪華なインテリアのレストランで、案内されたのは六人掛けのテーブルのある個室だ。
白いテーブルクロスの上に、三人分のお皿とカトラリーが準備されている。カトラリーはナイフとフォークが何本もあり、その上大小のスプーンまである。
このようなすごいレストランへ入店したことなんてないので、緊張が増していた。
どうしよう……ナイフとフォークくらいは使ったことがあるけれど、こんな数知らない。
最高級レストランに連れてきてもらったのに、これでは料理の味がよくわからないことになってしまいそうだ。
和歌子おばあ様の家で座っていたときと同じ位置に着座して、亜嵐さんがスーツの外国人男性とイタリア話で話している。
少し白髪が見える外国人男性の胸にあるネームプレートには〝支配人〟とあり、和歌子おばあ様もにこやかに会話に加わった。
すごくかっこいい。和歌子おばあ様、イタリア語が流暢だ。
「一葉ちゃん、支配人が勧めてくれたりんごジュースでいいかしら? アレルギーや嫌いなものはある?」
「りんごジュースで大丈夫です。アレルギーはありません」
そう言うと、亜嵐さんが支配人に声をかけ、彼は笑顔で出ていった。
「すみません。私、こういったレストランへ来たのは初めてで」
「まあ、一葉ちゃん。謝る必要なんてないわ。これからは亜嵐にどんどん連れていってもらいなさい」
まだ了承したわけではないのに、すっかり結婚相手と見なされてしまっている。
「和歌子おばあ様、亜嵐さんは私にはもったいないくらい素敵な人です。私なんかよりもっとずっと洗練された女性が――」
「洗練された女性なんて、つまらないじゃないの。私は政美ちゃんの孫の一葉ちゃんだから、亜嵐のお嫁さんにしたいのよ」
和歌子おばあ様は遠い昔の約束を果たしたいと強く思っているみたい。でも、亜嵐さんはその約束の被害者では……?