婚約破棄するはずが、極上CEOの赤ちゃんを身ごもりました
「亜嵐さん、お待たせしました!」

 彼がラグから立ち上がり、こちらへやって来る。

「おいしそうだ。いや、おいしいに違いない」

「味は、どうでしょうか……」

 席に着いた亜嵐さんを、対面に座る私はじっと肉じゃがを口に運ぶところを見つめる。

 豚肉と玉ねぎを咀嚼した彼は笑みを浮かべる。

「一葉、とてもおいしいよ。君も食べて」

「本当に?」

 私もひと口食べて、いつもよりおいしく感じてホッと安堵した。

「緊張しながら作ったので、味見してもわからなくなって」

 亜嵐さんはほかの料理にも箸をつけて満足そうに顔を緩ませる。

「どれも一流レストランのようだよ」

「それは言いすぎですっ」

 身を乗り出して首を左右に振る。

「いや、本当だよ。料理上手な奥さんと結婚できるんだから幸せだ」

 彼の口から結婚を示唆する言葉が出て、私の顔は熱を帯びた。

 食事後は、ソファに並んで座り、栗が丸ごと一個入った大福と緑茶でまったりしているた。

「クスッ。亜嵐さん、ここに粉が」

 自分の口の端を指で示すと、亜嵐さんにその腕が掴まれて膝の上にのせられる。

「知ってる。いつ言ってくれるのかと待っていた」

「え?」

 キョトンとなる私を、彼はに色香を漂わせた眼差しで見つめてくる。

「舌でなめ取って」

「あ、亜嵐さん……」

「一葉に触れたかった。恥ずかしいのなら、俺からキスをするよ」

 彼の指が私の下唇をなぞる。

「……私から」

 唇に触れられた瞬間から体の奥が疼き始めている。

 前回亜嵐さんがハンガリーから帰国したときは、忙しすぎてふたりの時間を持てなかったので、肌を重ねるのはずいぶん久しぶりでドキドキと鼓動が暴れ始めた。

 私は亜嵐さんの両頬に手を置いて顔を傾け、唇をそっと重ねる。

 何度もキスをして抱き上げられた私の体は亜嵐さんに抱き上げられ、寝室へ連れていかれる。

 彼の寝室に入るのは初めてだけれど、ベッドの上に優しく横たわらせられると、周りを見る余裕もなく亜嵐さんに翻弄された。

 たっぷり愛された後、バスルームに連れていかれ、シャワーの下に立たされる。

 温かいお湯が肌を濡らしていき、泡立ったボディソープが亜嵐さんの手で私の肌をすべっていく。

 胸のふくらみを、円を書くように手が動き、敏感になった先端部を刺激していく。

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