【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 そうだった。知らない人が集まるパーティであれば、自分は壁の花になればいいのだ。そして、妄想を繰り広げる。パーティといういろんな人が集まる場は、様々な妄想ができるじゃないか。
「ありがとう、モイラ。行ってまいります」
 モイラはこのタイミングで御礼を言われた意味がわからなかったが、それはきっと一連の準備に対する礼だろう、と捉えた。
 ルークとは女子寮と男子寮の間にある噴水の前で待ち合わせ、のはずだった。ここは待ち合わせの定番の場所らしい。だが、彼の姿が見えない。まさかブッチされたわけではないよね、と不安になる。

「リーン」
 と声をかけられた。だが、ルークで無いのは確か。声がした方に視線を向けると。
「イブ様。どうかされましたか?」

「あなたを待っていました」

「え? 私は部長を待っているのですが」

「彼は来ませんよ。すでに会場に行っていますから」
 うわ、やっぱりまさかのブッチ。
「オレに、あなたのエスコートをさせてください」
 手をとられ、甲にキスを落とされる。
「ですが、私は部長と」

「はい、ですからルークにはオレの方から話をしておきました。リーンのエスコート役をオレに譲って欲しいと」
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