【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「リーン、そろそろ時間だ。あまりゆっくりしていると、今日の宿に着くのが遅くなってしまう」
 父親がそう声をかける。
「あなたもお気を付けて。リーンをお願いします」
「ああ、大丈夫だ」
 仲の良い夫婦は、ハグしてお別れ。

「義姉さん、僕たちも真似をしますか?」
 と、ライオネルが天使のような微笑みと見せかけた悪魔のような微笑みを浮かべていたので、アイリーンは丁寧にお断りした。この義弟は、何かとアイリーンをからかってくるのだ。でも、普段は何かと鬱陶しいと感じる義弟だが、離れてしまうということを考えると寂しい気もする。が、それを口にしてしまうと、また何かしらやられそうな気がするので、その気持ちは心にとどめておくこととする。

「では、行ってまいります」
 旅立の挨拶をし、自動車へと乗り込んだ。
 進行方向に向かってアイリーンと父親が並んで座り、アイリーンの向かいにモイラ。そして運転席に座る運転手。自動車は馬車の原動力が馬である代わりに、石油を使っているだけで、それ以外は全て馬車と同じ。つまり、馬のいない馬車。

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