【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「え?」と情けない声のノエル。「読んだことあるの?」
 コクリとアイリーンは頷く。
「ちなみに、誰が好き?」

「私はロイティです」

「王道ね」
 そこで口を挟んだのがサラ。
「そんな王道をいくアイリーンさんには、これをすすめるわ」
 と一冊の本を差し出す。表紙には『美しき二人』とアスカリッド語で書いてある。アイリーンはそれを受け取った。裏表紙に簡単なあらすじが書いてあり、それを目で追う。

「サラ先輩。これ、お借りします」
 アイリーンはにっこりと微笑んだ。サラは満足そうに頷き、ノエルも嬉しそうに笑っていた。
「また、オススメの本を教えてください」

「もちろんよ、アイリーンさん。とりあえず、この棚のここからここまでは、それだから」
 それさえ聞けば、もう十分だ。サラやノエルがいなくても、読みたい本と出会えそうだ。

「文学は自由ですもの、ね。ヘレン」
 ノエルは勝ち誇った笑みを浮かべていた。
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