【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「サラ先輩の好きな本って、そういうのが多いよ。でもね『美しき二人』は読んだ方がいいかも。それさえ読んで、その涙を乗り越えれば、あとはたいてい大丈夫だから」
 なんだろう、その獅子の子を崖から突き落として、這い上がってこい、みたいな方式。

「もしかして、この本の続きを部室で読むと危険かしら」
 まだ序盤。これからもっと泣きに入るのだろう。

「部室なら大丈夫よ。みんなそんな感じだし。でも、教室ではやめた方がいいわね」
 ノエルからのアドバイスに頷く。そして、一口お茶を飲む。

「はあ、なんとか落ち着きました」
 そう言うアイリーンの目尻には乾いた涙のあと。

「よかったわ。部屋に来た途端、号泣しているから、何事かと思ったわよ」

「ごめんなさい。サラ先輩の傾向が分かったので、読む前に泣ける()を確認しようと思います」
 アイリーンのその言葉に、ノエルは声をあげて笑う。

「ところで。早速で悪いんだけれど。リーンが作ったっていう、月雲の紹介文? っていうものを見せて欲しいな」

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