冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
だから、蝶子も最初は彼を怖いと思った。けれど……何度か会ううちに、彼の裏表のなさに安心感を覚えるようになった。それに、彼は蝶子の愛するシェイクスピアの話を嫌がらずに聞いてくれる。蝶子はそれがうれしかった。
「シェイクスピアの魅力は普遍性にあると思うんです。どこの国の誰が読んでも、共感できて、楽しめる」
「あらゆる物語の原点といわれる所以だな」
「はい! 何百年経っても、色あせないって本当にすごいことです」
普段はあまり口数の多いほうではない蝶子だが、シェイクスピアの話になると饒舌だ。尽きることなく話題は出てくる。
だが、じっとこちらを見ている晴臣の視線に気がつき、蝶子は慌てて口をつぐんだ。
「あ、ごめんなさい。また夢中になってしまって……」
晴臣は教養があるので、蝶子のマニアックな話題にもついてきてくれるが、いくらなんでも限度はあるだろう。
(ほかに話題もないから聞いてくれているだけなのに、私ってば)
晴臣は表情を変えず、淡々とした口調で言う。
「気にせず好きな話をしろ。君はシェイクスピアが好きなんだろう」
「はい! 大好きです」
「シェイクスピアの魅力は普遍性にあると思うんです。どこの国の誰が読んでも、共感できて、楽しめる」
「あらゆる物語の原点といわれる所以だな」
「はい! 何百年経っても、色あせないって本当にすごいことです」
普段はあまり口数の多いほうではない蝶子だが、シェイクスピアの話になると饒舌だ。尽きることなく話題は出てくる。
だが、じっとこちらを見ている晴臣の視線に気がつき、蝶子は慌てて口をつぐんだ。
「あ、ごめんなさい。また夢中になってしまって……」
晴臣は教養があるので、蝶子のマニアックな話題にもついてきてくれるが、いくらなんでも限度はあるだろう。
(ほかに話題もないから聞いてくれているだけなのに、私ってば)
晴臣は表情を変えず、淡々とした口調で言う。
「気にせず好きな話をしろ。君はシェイクスピアが好きなんだろう」
「はい! 大好きです」