冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
「でも、私が使うものですから」

 蝶子がしつこく食いさがると、晴臣は彼女の腰をぐっと引き寄せ耳元に唇を寄せた。

「――なら、ふたりで使える大きなベッドを買うか?」

 かあっと蝶子の頬が赤く染まる。当の晴臣はいたって真面目な顔をしており、冗談なのか本気なのか判断がつかない。蝶子は彼が『冗談だよ』と言ってくれるのを待っているが、晴臣はじっと蝶子の顔を見つめているだけだ。なんともいえない空気がふたりの間を流れる。

 蝶子は耐えきれずに「ちょっとお手洗いに」と告げて、その場を離れた。

(一緒に使うベッドって……本気なのかな。そもそも、私たち本当に結婚できるの?)

 蝶子の顔は恥じらいで赤くなったり、不安に青くなったりと、忙しい。

 化粧室からもといた売り場に戻り、晴臣の姿を捜す。彼はすぐに見つかったが、ひとりではなかった。

「お休みの日に晴臣先生と会えるなんて、最高!」
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