冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
「あなたはアメリカに腰を落ち着けちゃったし、観月さんのところも……いろいろあったからね」
観月の奥さまであった小夜子が失踪した件は百合から聞いて知っていた。その後すぐに後妻が来たこともだ。もともと、晴臣と蝶子の婚約は百合と小夜子が親しかったために持ちあがった話なのだ。晴臣は小夜子が観月家を出た時点で婚約もなくなったのだと勝手に思っていたが……百合はそうは思っていないらしい。
「はっきりしないまま放置していたけど、どちらにせよきちんと筋は通さないと。晴臣はどう思う?」
「別に。どちらでも構わないですよ」
悩むそぶりすら見せずに、晴臣は短く答える。有島病院の跡継ぎとして、子を成すために結婚はしなくてはならないだろう。それが達成できるのならば、相手は誰でもよい。観月家なら悪い縁ではないし、晴臣に否と言う理由はない。
「えっ、結婚する気あるの?」
「彼女次第ですね」
予想外に色よい晴臣の返事に、百合は声を弾ませた。
「私としては蝶子ちゃんがお嫁さんになってくれたら、やっぱりうれしいのよ~。小夜子さんがいなくなってからの彼女が気がかりだったから」
小夜子の失踪後、百合は何度か蝶子に会おうとしたのだが、後妻となった女性にやんわりと拒まれてしまったそうだ。
「高志さんにもよその家庭の問題に首をつっ込むなと怒られちゃったし」
観月の奥さまであった小夜子が失踪した件は百合から聞いて知っていた。その後すぐに後妻が来たこともだ。もともと、晴臣と蝶子の婚約は百合と小夜子が親しかったために持ちあがった話なのだ。晴臣は小夜子が観月家を出た時点で婚約もなくなったのだと勝手に思っていたが……百合はそうは思っていないらしい。
「はっきりしないまま放置していたけど、どちらにせよきちんと筋は通さないと。晴臣はどう思う?」
「別に。どちらでも構わないですよ」
悩むそぶりすら見せずに、晴臣は短く答える。有島病院の跡継ぎとして、子を成すために結婚はしなくてはならないだろう。それが達成できるのならば、相手は誰でもよい。観月家なら悪い縁ではないし、晴臣に否と言う理由はない。
「えっ、結婚する気あるの?」
「彼女次第ですね」
予想外に色よい晴臣の返事に、百合は声を弾ませた。
「私としては蝶子ちゃんがお嫁さんになってくれたら、やっぱりうれしいのよ~。小夜子さんがいなくなってからの彼女が気がかりだったから」
小夜子の失踪後、百合は何度か蝶子に会おうとしたのだが、後妻となった女性にやんわりと拒まれてしまったそうだ。
「高志さんにもよその家庭の問題に首をつっ込むなと怒られちゃったし」