冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
蝶子は自分を受け入れてくれているが、それが決して純粋な恋心とは言いきれないことを晴臣は理解している。あの継母から逃れるために、蝶子は晴臣に恋をするよう自己暗示をかけている側面もあるのだろう。晴臣のしていることは彼女の弱みにつけこんだ卑怯なマネなのかもしれない。そうならないよう細心の注意を払っているつもりではあるが、晴臣だって完璧な人間ではない。正しく彼女に接することができているか、不安になることもある。
(最初は恋でなくてもいい。少なくとも、あの家にいるよりかは彼女を幸せにできるはずだ)
晴臣はそう自分を納得させる。それはただのエゴなのかもしれないと、心のどこかで感じながら。
約束の週末。晴臣は箱根に宿を取った。新宿駅発の特急列車に乗り込むと、蝶子はまるで幼い子どものように車窓にかじりついている。晴臣は車で行こうかと提案したのだが、蝶子が電車に乗りたいと言ったのだ。彼女の自己主張は晴臣にとっては喜ばしいことなので、もちろん彼女の希望を優先させた。
(最初は恋でなくてもいい。少なくとも、あの家にいるよりかは彼女を幸せにできるはずだ)
晴臣はそう自分を納得させる。それはただのエゴなのかもしれないと、心のどこかで感じながら。
約束の週末。晴臣は箱根に宿を取った。新宿駅発の特急列車に乗り込むと、蝶子はまるで幼い子どものように車窓にかじりついている。晴臣は車で行こうかと提案したのだが、蝶子が電車に乗りたいと言ったのだ。彼女の自己主張は晴臣にとっては喜ばしいことなので、もちろん彼女の希望を優先させた。