天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 体内のマナの存在を感じることができても、それを流し込むというのは非常に難しい。これができるようになれば、マナ屋を開くこともできるらしいが。

(でも、私がなりたいのは、マナ屋じゃなくて、錬金術師だもんね)

 ふと思うことがある。

 この世界は、精霊の力を借りて、かつて生きていた世界と同じくらい不自由なく暮らすことができている。

 けれど、自分でいろいろなものを作れるようになれば、この世界でもっと楽しく生きていくことができるようになるのではないか、と。

「えいえい――あれ?」

 懸命にマナを流し込みながら、ふと上を見上げてみたら。金色のふわふわとしたものがただよっている。それは、精霊達を囲んでいるようにも見えた。

(あれぇ、いつの間にかスイッチ入れちゃってたんだな……)

 ミリエラの目は精霊を見ることができるけれど、この世界の精霊達は基本的には人の目には映らない。彼らの存在を見ることができる特別な目の持ち主がミリエラということになるのだけれど、普段は精霊は見えないように視界を調整していたはずだ。

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