天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 父の身に着けている深い緑の上着は、侯爵家の当主らしく、上質の布で仕立てられている。施されている刺繍も繊細なものだ。白いシャツにクラヴァット、袖口からのぞく青い宝石のカフスボタン。

 長い銀髪はひとつに束ねてある――やはり、今日の父はいつも以上に素敵だ。

「ミリィ、パパとお揃いがよかったな。こういう風に結べばよかった」

 束ねられているジェラルドの髪をひっぱりながらそうつぶやく。

「もう少し長くないと難しいと思うよ。私が、ミリィと同じ髪形にしようか?」

「それは、変だよパパ!」

 今日のミリエラは、髪を両耳の上で束ねてリボンをつけた髪型だ。前世の言葉で言うならツインテールである。二十代後半の成人男性が、そんな髪型にするのはいかがなものか。

 そんな風にじゃれ合っていたら、先ぶれの使者がやってきた。もうすぐ、王族が到着するらしい。玄関ホールから外に出て、客人の到着を待つ。

 ミリエラとカークの側には、こちらも華やかに装ったニコラ。

 オーランドは騎士としての任務に就いているらしく、他の騎士団のメンバーと一緒に小道の両脇を固めている。

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