天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 執事やメイド、庭師といったその他の使用人達まで皆身なりを改め、王族を迎えるために並んでいた。

(……来た!)

 やってきたのは、金色の飾りがまぶしい馬車だった。紋章のようなものがついている。

 ミリエラはまだ紋章の勉強はしていないけれど、あれが王家の紋章なのだろう。

 馬車が停まると、御者が飛び降り、恭しく扉を開く。

 ミリエラだけではなく、カークも馬車からどんな人が出てくるのか気になってしかたないようだった。背伸びし、前のめりになって、少しでも早く客人を見ようとしている。そんなカークの襟首をつかんで、オーランドが引き戻していた。

 ジェラルドの隣に立っていたミリエラは、すぐに馬車の中を見ることができた。

 足置きが御者の手によって用意され、降りてきたのは――ミリエラより少し年上と思われる少年だった。黒い上着に揃いのズボン。年齢に見合わない落ち着いた物腰で、彼は地面に降り立った。見事な金髪はきちんと整えられ、緑色の瞳は、明るく澄んでいた。

「グローヴァー侯爵、お招きに感謝する」

 少年らしく、高く澄んだ声。ジェラルドは、彼の前で膝を折り、頭を垂れた。

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