天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「ううん。大丈夫。君達に会えてよかった」

 すぐに遊びに行くのに、どうしてそんな顔をするのだろう。

「そう? ねえ、ディー。もし、困ったことがあったらミリィに言ってね? ミリィはディーの友達なんだから」

「そうだぞ。遠慮なんかするな」

 カークがどんとディートハルトの肩に拳をぶつける。本当に彼は、遠慮というものを知らない。

「そうだね。そうするよ――ふたりとも、本当にありがとう。君達は、僕の大切な友人だ」

 ディートハルトの目が、かげりを帯びた。先ほどからずっと様子がおかしい。

(ディー、どうしちゃったんだろう)

 問いかける暇をミリエラに与えることなく、ディートハルトは迎えの馬車に乗って行ってしまった。

「都にいる間に、殿下とまたお会いする機会は作れると思うよ」

 父がふたりの肩に手を乗せてそう言う。いつになるのだろうと、ミリエラは思わずにはいられなかった。今のディートハルトの様子は、まるで今生の別れを覚悟しているようにも思えたから。

 

 翌朝、王宮に向かうための支度をしながら――正確にはニコラに着替えさせてもらいながら――ミリエラは考え込んだ。

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