天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
(……それにしても、昨日のディーは何か変だった、気がする)

 ミリエラの目から見れば、ディートハルトはかなり素直な子供だと思う。

 王族として育ってきたからか、年齢のわりに大人びた言動をすることが多いけれど、ある意味カークより素直なところがある。

 そんな彼が、表情を取り繕うような真似をするなんて。

(まさか、家族のところに帰りたくなかった――とかじゃないよねぇ)

 もし、最初からマナを使うことができていれば、ディートハルトがグローヴァー領に送られることはなかった。

 そして、グローヴァー領が選ばれたのだって、ミリエラが生まれて以降、父は仕事を休んでしまっていたけれど、マナがない人が暮らしやすいような環境を整えることができるからというのが理由だったはず。

 そう考えると、ディートハルトは大切に育てられてきたのだろう。それにもかかわらず、家族の元に戻るのに浮かない顔をしているなんて。

(人の家の事情に首を突っ込むのはよくないけど……友達の力にはなりたいよねぇ……)

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