天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
(――おじい様やおばあ様が怖いんじゃない。お父様が怖いのは――自分自身なのかも)

 父は、たしかに恐れている。

 恐れているのは、母が亡くなって以来、義理の両親との付き合いを絶っていたからだろう。ミリエラという孫娘がいるにもかかわらず。

 今年の誕生日だって、心配して領地を訪れたふたりを追い返してしまった。その後悔もまた、そんな表情にさせるのだろう。

(……本当に、この人はしょうがないな。ちゃんと、守ってあげなくちゃ)

 ミリエラにとって、大切な人である。

 彼に守られると嬉しいし、守られるだけではなく守ってあげたい。よいしょと手を伸ばして、ジェラルドの手をぎゅっと掴む。

「ねえ、パパ?」

「なんだい」

「おじい様とおばあ様に会えるのが楽しみだねぇ……」

父が家族を一度に亡くし、落ち込んでいたのを慰めた母。その母の両親なのだからきっといい人達に決まっている。

 王都の一等地にあるハーレー伯爵家は、ある意味、グローヴァー侯爵家より立派な建物であった。

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