天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 人並みの生活――と言われて、ミリエラはちょっとむっとした。

(ディーは、ちゃんとやってたのに)

 まるで、ディートハルトがダメ人間のような言い方ではないか。マナを持っていなくても、生活できるように皆が工夫して暮らしているのに。

「ディー、ディートハルト殿下には会えますか?」

 うっかり領地にいた頃のように呼び掛けてしまい、慌てて訂正する。今日は噛まなくて、本当によかった。

「ええ、今日は無理だけれど、あなた達が王都にいる間に招待するわ」
「会えたら嬉しいです」

 長旅から戻って来たばかりのため、今日は王宮に医師を呼んで健康診断をしているらしい。

 それからも表面上は和やかな会話を続け国王夫妻の前から退出すると、ジェラルドははぁと息をついた。どうやら、ジェラルドとしても、気疲れする会談だったようだ。

「パパ、疲れた?」

「いや、そんなことはないよ。さて、次は君のおじい様とおばあ様に会いに行こうね」

「うん!」

 ミリエラは元気よく返事をしたが、ジェラルドは国王夫妻と顔を合わせた時よりずっと顔を強張らせている。そんなにも恐れなければいけない相手なのだろうか。

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