天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「王太子にどちらの王子がなるのかは、先送りとなったよ。でも、殿下はグローヴァー領で暮らすことになった」

「……そっか」

 まだ七歳。もう七歳。

 ディートハルトにはどちらの言葉がふさわしいのだろう。ミリエラには、わからない。

「それでね、私の弟子になりたいという気持ちも変わりないらしい」

「うん」

 ディートハルトは、王妃の自分に向ける複雑な感情もちゃんと理解している。大切に思われているということも。
 自分の子を王にしたいという野望はあっても、ディートハルトを殺そうとまでは思っていない。ある意味人間味あふれる人だ。

 大人達の思惑のしわ寄せがディートハルトに向かうのはいかがなものかと思うけれど、彼が望む未来を手に掴むことができるのならば、それでいい。

「いずれは、王位継承権もお返しになるかもしれないが、その結論を出すのは早いと陛下は仰せでね。殿下は、その前に一人前の錬金術師になりたいそうだ」

 後継者争いはひとまず先送りになっただけで、いずれ決着はつけねばならない。けれど、ディートハルトが決めたことならミリエラは何も言えない。

「王子様の錬金術師って初めてね」

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