天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 それに、この本館で暮らしているのはジェラルドだけだ。使用人達はミリエラの暮らす別館から、本館に出勤している。

「おいしー、です。パパ」

 ジェラルドのいれてくれたお茶はちょっぴり濃すぎて苦かった。

 子供の舌には刺激が強い。だが、せっかく父が用意してくれたお茶なのだ。文句なんて、口にできるはずがない。

「そうか。それは、よかった」

 だが、それきり会話が続かない。

 それもそうだろう。生まれてから五年、どちらも相手と関わり合おうとしなかった。

 相手のことを何も知らないのだから、会話が成立するはずもない。先日はエリアスがいてくれたから、間を持つことができたのだ。

「パパ、パパはこのクラッカーが好き、ですか?」

 こういう場合、どちらかが会話の口火を切らねばならないのだ。香辛料の効いたクラッカーを取り上げ、たずねてみる。

 好物だというのは料理人に聞いて知っていたけれど、会話の糸口を掴むために何も知らないふりを装った。

「我が家の料理人、オリジナルのレシピだ」

「へぇ……うわあ、辛い!」

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