天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 口にして、ピリリと効かされた香辛料の刺激に顔をしかめる。大人だったらおいしかったのだろうけれど、今のミリエラには刺激が強すぎた。

「……ここに」

 ジェラルドが手を出してくれるのには、首を横に振る。一度口に入れたものを出すわけにはいかないではないか。

 かじりかけの残りも口に入れてしまい、涙目になりながら飲み下す。そうして、ジャムタルトにかぶりついた。

「甘いー、おいしいー!」

「まだ、たくさんあるから食べなさい。食べきれなかった分は、持って帰ればいい」

 こちらを見るジェラルドの目が、また優しくなった気がした。遠慮なくふたつ目のジャムタルトに手を伸ばす。

(こんなに食べたら、夕食入らなくなるだろうなー)

 だが、せっかくの父の招待だ。そう言い訳をして、もぐもぐと食べてしまう。

 三つ目に手を伸ばしかけたところで、不意にジェラルドが立ち上がった。

「お腹は一杯になったか?」

「う、うん……」

 食べ終えたミリエラについてくるように言うと、ジェラルドは部屋の奥へと移動する。先ほど気にしていた、衝立に区切られた場所だ。

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