天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 衝立をくるりと回ると、出窓に向かって座り心地のよさそうなソファがひとつあるだけ。あとは、出窓には何やら木箱のようなものが置かれていた。

「そこに、座りなさい」

「……はい」

 ひとつだけ置かれているソファによじ登る。そのソファに落ち着くと、自然と視線は窓の方を向くことになった。

(庭園の景色を眺めなさいってことなのかな……?)

 そう思っていたら、ジェラルドはしゃっと音を立ててカーテンを閉めてしまう。そして、出窓に置かれていた箱を取り上げた。

(あ、オルゴール!)

 ねじを巻き、蓋を開くと、オルゴール特有の澄んだ落ちつく音色が流れてくる。だが、それだけではなかった。

「パ、パパ……?」

 オルゴールから伸びた光が、空中に描き出したのは。今よりいくぶん若い頃のジェラルドだった。

「ジェラルド、なぁに? どうして、こんなところに私を呼び出したの?」

 そして、ミリエラの見たことのない若い女性。

(……これって)

 本能的に悟ってしまった。彼女は、母だ。

「……ママ?」

「ああ。アウレリアだ――これは、結婚前のものだな」

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