天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 そう呼ぶ子供の声は鮮烈で。ジェラルドの心を抉った。

 心の底に封じ込めようとしてきた記憶が、彼女の声で呼び戻されてしまう。

(……どうして、私、を――)

 あの娘は、どうして自分のことを迷うことなく父と呼べるのだろう。

 側にいたら、きっと遠くない未来、彼女に不幸をもたらしてしまうのに。

「……おい、そこの若いの」

 二十六ともなれば、そこまで若くはないのだが。

 そもそも、この屋敷にジェラルドのことを、そんなぞんざいに呼ぶ者はいない。

 けれど、声の方に目をやれば、どこから入って来たのか、床の上にきちんと白い手足を揃えて座っているのは巨大な猫だった。

「どなたでしょうか……?」

 目の前に存在する白い猫が何なのか、本当のところはわからない。
だが、身体全体がマナでできているのだろうという圧倒的な存在感。白い猫は、ふふんと顎をそらし、パタパタと尾を振った。

「我は風の精霊王エリアス。膝をつけ、そして我をあがめろ」

「精霊王様?」

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