天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 日頃は精霊界で暮らしている精霊は、人間と契約した時だけこちらの世界に姿を見せることができる。今、目の前にいる精霊も誰かと契約しているのだろう。

 ふわふわとした尾を振り、精霊王はテーブルに置かれていた封筒をジェラルドの前に落とす。
先ほど受け取ったが、開く気になれずテーブルに置きっぱなしだったミリエラからの招待状だ。

「我の契約者が、そなたを茶会に招待したいと言っている。断ることは許さないぞ」

「――ですが!」

 精霊王は理解していないのだろうか。

 自分が側に行ったら、彼の契約者もまた無事ではすまないのだと。身近に死を見るのはもうたくさんだ。

 せめて、娘だけは自分よりも長く生きてほしい。子供が先に逝くところなんて見たくない。

 だが、ジェラルドの悲痛な思いを、精霊王ははん、と鼻で笑い飛ばした。

「人間よ、そなたのそれは、くだらない思い込みだぞよ。我の契約者は、精霊のいとし子。我と強く結ばれた者。そなたにたとえ死神が取りついていようが、天命ではない時期に彼女が連れていかれることはないだろう」

「精霊のいとし子……?」

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