天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 その言葉にも、聞き覚えがあった。ごく古い文献で語られる存在。精霊達に愛される特別な存在。

「そう、ミリエラは、我ら精霊と近い魂を持つ者だ。ま、そなたがミリエラと関わりたくないというのであれば、我もこれ以上は言わん――娘を愛してやれ」

 そう言うなり、精霊王は身を翻す。彼が残していった封筒に書かれているのは、「パパへ」という宛名。幼子らしい、頼りない筆跡だ。

 ――行きたい。けれど。今まで疎んじてきた娘に、今さらどんな顔を見せればいい?

 迷いながらも、五年もの間封じていた錬金術の道具を手に取る。

(精霊に守られている君には、必要のないものかもしれないけれど――)

 今まで、遠ざけてきた分。少しでも、ミリエラに何かを与えたかった。

 アウレリアが逝ってしまってから、一度も取り出したことのない錬金術の道具。五年ぶりに魔石を買い求める。娘のために守りの腕輪を作ろう。

(――腕輪に加工するのは、出入りのあの職人に頼もうか)

 アウレリアが存命だった頃、彼女のためにいくつものアクセサリーを誂えた。その職人に、子供用の守り腕輪を誂えさせる。

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