あやかし戦記 見えない糸
「友達になりたいから、それでは理由になりませんか?」
ヴィンセントが言うと、ギルダは素早く顔を上げる。彼女はとても驚いていた。そんなギルダの手を取り、イヅナは口を開く。
「私は、妖と人が共存できる世界を創りたくて、アレス騎士団に入りました。人と妖はかつて絆という見えない糸で繋がっていて、協力し合っていた。今はその糸は切れてしまいましたが、私はその糸をもう一度結び直したいんです。そのためにも、ギルダさんや呪術師の人たちとも糸を結びたい。私は、いいえ、私たちはそう思っています」
「イヅナちゃん……」
ギルダの瞳に涙が浮かぶ。もしもこれが舞台の上で行われている劇のワンシーンであれば、友情の芽生えに多くの観客が感動するだろう。しかし、自分たちが体験している現実世界では違う。
「イヅナ、お前ちょっと何言ってるかわかんねえ。お前ってそんな小説家風の語りをする奴だったっけ?」
レオナードが首を傾げながら言い、イヅナは先程の発言を頭の中で再生して恥ずかしさから顔が真っ赤になっていく。
「もう!せっかくいい言葉が言えたのに!」
ヴィンセントが言うと、ギルダは素早く顔を上げる。彼女はとても驚いていた。そんなギルダの手を取り、イヅナは口を開く。
「私は、妖と人が共存できる世界を創りたくて、アレス騎士団に入りました。人と妖はかつて絆という見えない糸で繋がっていて、協力し合っていた。今はその糸は切れてしまいましたが、私はその糸をもう一度結び直したいんです。そのためにも、ギルダさんや呪術師の人たちとも糸を結びたい。私は、いいえ、私たちはそう思っています」
「イヅナちゃん……」
ギルダの瞳に涙が浮かぶ。もしもこれが舞台の上で行われている劇のワンシーンであれば、友情の芽生えに多くの観客が感動するだろう。しかし、自分たちが体験している現実世界では違う。
「イヅナ、お前ちょっと何言ってるかわかんねえ。お前ってそんな小説家風の語りをする奴だったっけ?」
レオナードが首を傾げながら言い、イヅナは先程の発言を頭の中で再生して恥ずかしさから顔が真っ赤になっていく。
「もう!せっかくいい言葉が言えたのに!」