あやかし戦記 見えない糸
ツヤがギルベルトに訝しげな視線を送るが、それを気にする様子もなくギルベルトはニコニコと笑う。
「実は、何人か僕の部下を隣国に行くように命じて行かせたんだけど、みんな行方がわからなくなってるんだよね。だから、護衛として誰かに来てもらえたらなって思って」
予想外の言葉にイヅナたちは顔を見合わせる。行方がわからなくなるというのは、妖に襲われたせいなのかもしれない。ドクドクと心臓の鼓動が早くなる。
「ふざけるな!そんなことをあたしの部下にさせるわけにはいかないだろ。大体、こいつらはアレス騎士団の戦闘員であって、SPなんかじゃないんだ!」
ツヤがギルベルトの胸ぐらを掴み、ギルベルトが「俺、今結構不機嫌なんだよねぇ……」と黒いオーラを出す。いつ戦闘が始まってもおかしくない状況だ。そんな中、ヴィンセントが手を上げる。
「その護衛、僕が引き受けます。僕にやらせてください」
「えっ、ヴィンセント……」
イヅナが驚いた目で見ると、ニコリと笑顔を向けられる。ツヤとレオナードが「お前、本当にいいのか?」と何度も訊ねても、ヴィンセントは首を縦に振るだけだった。
「実は、何人か僕の部下を隣国に行くように命じて行かせたんだけど、みんな行方がわからなくなってるんだよね。だから、護衛として誰かに来てもらえたらなって思って」
予想外の言葉にイヅナたちは顔を見合わせる。行方がわからなくなるというのは、妖に襲われたせいなのかもしれない。ドクドクと心臓の鼓動が早くなる。
「ふざけるな!そんなことをあたしの部下にさせるわけにはいかないだろ。大体、こいつらはアレス騎士団の戦闘員であって、SPなんかじゃないんだ!」
ツヤがギルベルトの胸ぐらを掴み、ギルベルトが「俺、今結構不機嫌なんだよねぇ……」と黒いオーラを出す。いつ戦闘が始まってもおかしくない状況だ。そんな中、ヴィンセントが手を上げる。
「その護衛、僕が引き受けます。僕にやらせてください」
「えっ、ヴィンセント……」
イヅナが驚いた目で見ると、ニコリと笑顔を向けられる。ツヤとレオナードが「お前、本当にいいのか?」と何度も訊ねても、ヴィンセントは首を縦に振るだけだった。