惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
「お嬢様、私も随分長い事この仕事をしてきましたが・・・今まで、不運な出来事で傷を負ったり、体の一部を失った令嬢達を見てきましたわ。男性の身体の傷は戦果の誇りと考える方もいらっしゃいますが、女性の身体となると、やはり気にされる方も多くいらっしゃいます。」
そう言いながら、店主は私の左手の小指の付け根部分をソッと撫でた。
「しかし、身体がいくら綺麗でも、その内面が醜ければそれは滲み出てくるものです。人の本質はいくら着飾ったところで隠すことは出来ないのです・・・しかし、どんな傷を背負っていたとしても、その人の本質の美しさは変わりませんわ」
そう言うと、店主は従業員から渡された5本指の手袋を私の左手にはめてくれた。
「私には、お嬢様の手に合わない手袋よりも、お嬢様の手に合わせて作った物の方が、もっと素敵に見えると思いますわ」
私も手袋をはめられた左手に目を落とした。
いくら傷を隠すためとは言っても、手袋をはめた小指のないその5本目の指は不自然な形をしている。
「もしもお嬢様が、その傷を自身の体の一部として受け入れられた時には、ぜひお嬢様に合った手袋を御用意させてくださいませ!」
ニッコリと笑いかけてくれたその表情は、当初の営業スマイルによるものではなく、慈愛に満ちたもので、なんだか泣きそうになってしまった。
村の人達は、私が小指を失った経由を知っている。
それでいて、この傷に関する事はあまり触れてくることはない。
真正面からこの傷に向き合い、受け入れてくれた人はこの人が初めてかもしれない・・・。
私は目の前で優しく微笑む店主に、心の底から感謝しながら、小さく頷いた。
そう言いながら、店主は私の左手の小指の付け根部分をソッと撫でた。
「しかし、身体がいくら綺麗でも、その内面が醜ければそれは滲み出てくるものです。人の本質はいくら着飾ったところで隠すことは出来ないのです・・・しかし、どんな傷を背負っていたとしても、その人の本質の美しさは変わりませんわ」
そう言うと、店主は従業員から渡された5本指の手袋を私の左手にはめてくれた。
「私には、お嬢様の手に合わない手袋よりも、お嬢様の手に合わせて作った物の方が、もっと素敵に見えると思いますわ」
私も手袋をはめられた左手に目を落とした。
いくら傷を隠すためとは言っても、手袋をはめた小指のないその5本目の指は不自然な形をしている。
「もしもお嬢様が、その傷を自身の体の一部として受け入れられた時には、ぜひお嬢様に合った手袋を御用意させてくださいませ!」
ニッコリと笑いかけてくれたその表情は、当初の営業スマイルによるものではなく、慈愛に満ちたもので、なんだか泣きそうになってしまった。
村の人達は、私が小指を失った経由を知っている。
それでいて、この傷に関する事はあまり触れてくることはない。
真正面からこの傷に向き合い、受け入れてくれた人はこの人が初めてかもしれない・・・。
私は目の前で優しく微笑む店主に、心の底から感謝しながら、小さく頷いた。