酔いしれる情緒
止めるべきなのに、止められない。
動かない。力が入らない。
理由を、聞かないと、ダメなのに。
頭がボーっとし始める。
どちらの熱かなんて分からないくらいに
曖昧に混じり合う熱。
長く長く続くそれに、私の中にある酸素はそろそろ終わりを迎えそうで、意識が飛びつつあった。
視界がくらっと揺れた時
このままじゃマズイ、と
ボーっとする脳内に
慌ただしく危険信号が鳴り響いては
ドンッ!!
眉根を寄せてありったけの力で春を押し退けた。
やっと離れたそれに私は何度も呼吸をする。
「はぁ、っ、はぁ…」
必死に呼吸をしながらも、視線は春へ。
「一体、何が、したいの…」
「………………」
「ねえ………って、ちょっと」
俯き気味だった彼の顔を覗き込んだ矢先
するりと腰に回された腕。
それにより身体は春の腕の中に。
しまった、と
警戒心を一瞬解いてしまったことに後悔するも
捕らえられてからではもう遅く、
春は首元に顔をうずめては
まるで猫のように擦り寄せてきた。
「……離して」
「………………」
返事は無し。
離す気配も無し。
ただただ、ギューっと、強く私を抱きしめるだけ。
その態度や行動には溜め息が出てしまうけど、分かりやすく元気のない彼の頭をふわふわと撫でてあげる。
こんなことをすれば、また、
コイツが暴れ始めるかもしれないけれど
余裕のないその表情も
どこか思い詰めている様子も
春自身がそうなる理由を何も聞かされていない私にとっては、こうしてあげることしか出来ない。