酔いしれる情緒
「ッ?!アンタ何してんの?!」
慌てて首元のマフラーを外してこいつの顔面に押し付けようとしたが、簡単に手首を掴まれては身動きが取れなくなった。
正気か!?
正気なのかこいつは!!?
人が集まるこの駅前で顔を出すなんて!!!
「見られるって!!」
「いいよ別に。それよりも質問に答えて」
「それどころじゃないってば…!!」
「いいから早く。」
「馬鹿なの!?」
「大真面目だよ」
「どこが!?」
「んー、全部?」
「アンタいい加減に…!」
どうやら焦っているのは私だけのようで。
「凛。」
掴まれた手首を軽く引っ張られると、その反動で1歩前に踏み出してしまう私。
春は私の困り果てた顔を上から見下ろしては、
メガネの奥の瞳が私を貫く。
「もういいんだよ」
なんだかとても真剣に。
尚且つ機嫌が悪そうに。