君のとなりで恋をします。【番外編】
「香純…。」
「ん?」
「こんなこと、酔ってないと言えねぇから…
よく聞いとけよ?」
「えー、なに?」
改まってそんなことを言うもんだから、思わず身構えてしまう。
ドキドキしながらそこに続く言葉を待っていると、背中に回された彼の腕に少しだけ力が入ったのを感じた。
そして少し間をとったあと、ポツリポツリと言葉をつむぎ始めた。
「プロになってから……いや、もっと前からか…。
…俺の水泳人生、ずっととなりで支えてくれてありがとう。」
薄暗い街灯に照らされた彼の表情は、いつもより少し大人びていた。
「な、によ…急に改まって…」
「これからは、俺が支えるから…。…香純も、子どもも。」
最後には真っ直ぐ私の目を見てそう告げた。
桜河は普段、こういう台詞を言うのがあまり得意ではない。
…でも、それに不満なんてなかった。
言葉がなくても、普段の態度や何気ない会話から伝わってたから…
桜河がどれだけ私のことを大切に想ってくれているのか。