初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
話のすべてを理解するのは無理だけど、直君がパリに住んでいて、今は学校が休みだというのはきちんとわかった。
「ううん。そんなことないよ」
「そう? それならよかった」
白い歯を見せてニコリと微笑む彼につられるように笑う。
落ち着きがあって優しい彼との会話は、とても新鮮でおもしろい。
「直君。パリのお話もっと聞かせて」
行ったことのない外国に興味が湧いてお願いした矢先、うしろから声をかけられた。
「小夜子ちゃん! 誕生日おめでとう!」
この声は、同じ小学校に通う本田真紀ちゃんと白河陽太君だ。
「ありがとう!」
真紀ちゃんは栗色のふわふわした髪を編み込み、清楚な白いワンピースがとてもよく似合っているし、陽太君はグレーのベストに赤と青のストライプネクタイ姿がキマッている。
「小夜子ちゃんのドレスかわいいね」
「真紀ちゃんのワンピースもかわいいよ」
ドレスアップした姿を褒め合うのは、うれしくて楽しい。けれど、その幸せな時間も長くは続かなかった。
「仲間はずれにしないでよ」
陽太君が大きな丸い目に涙を浮かべて訴える。
彼は私と真紀ちゃんよりも背が低くて色白で、すぐに泣きべそをかく。
陽太君は大事な友だちだけど、泣き虫なところが少し面倒くさい。