初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~

長いようで短かった結婚式が無事終了し、木嶋さんの案内で最上階に移動する。

夫婦になって初めて迎える夜が、新居となる恵比寿のマンションでは味気ないと言う彼が、スイートルームを予約したのだ。

「素敵」

披露宴会場の装花と同じクリスマスローズの花が飾りつけされたリビングを見て、感嘆のため息を漏らす。

「小夜子。夜景も綺麗に見える」

「本当?」

「ああ」

天井まで伸びる大きな窓の外に目を向けると、そこには東京の大パノラマが広がっていた。

大勢の人たちに祝福されて夫婦となった今日という日を、私は一生忘れない。

宝石を散りばめたような東京の夜景を見て感傷的な気分になっていると、背後から声をかけられた。

「お着替え、お手伝いいたします」

披露宴が終わってから直にスイートルームに移動したため、私はまだブルーのドレスをまとったままだし、彼もお色直しで着替えたシルバータキシード姿のまま。

ひとりでは十二個もある背中のくるみボタンをはずせない。

「お願いします」

「では、寝室に移動しましょうか」

「はい」

木嶋さんの手伝いを心強く思い、一歩を踏み出したとき、彼が私たちの行く先を塞ぐように目の前に立ちはだかった。
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