初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~

「あとはふたりでなんとかします。今日は本当にありがとうございました」

彼が木嶋さんに深々と頭を下げる。

折角の厚意を断るなんて信じられないと思ったものの、仕事とはいえ夜遅くまで付き合わせるのは、たしかに申し訳ない。

「左様でございますか。それでは、私はこれで失礼させていただきます。本日は誠におめでとうございました」

「ありがとうございました」

最後まで礼儀正しい木嶋さんにお礼を伝え、うしろ姿を見送った。

ふたりきりになり、彼がタキシードのジャケットを脱いで蝶ネクタイをはずし出す。

「私も着替えてくるね」

「ああ」

彼に声をかけてリビングの奥にある寝室に向かう。けれど、予想していた通り、背中のくるみボタンがうまくはずせない。

鏡に背中を映して四苦八苦していると、彼が唐突に姿を現した。

「手伝うよ」

「えっ?」

戸惑う私にかまわずに、彼がくるみボタンをひとつひとつ丁寧にはずしていく。

『あとはふたりでなんとかします』って、こういうことだったのかと呆然としていると、彼が耳もとに唇を寄せた。

「さて、これから初夜ということになるが、子供はすぐにほしいか?」

ストレートな質問に驚き、息を呑んで鏡に映る彼の顔を見つめる。
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