初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
バレンタイン当日の夜。
「お帰りなさい」
「ただいま」
午後九時を過ぎて帰宅した彼を玄関先で出迎えて軽いくちづけを交わす。
このマンションで一緒に暮らし始めた当初は、挨拶のキスを恥ずかしく思っていたけれど、今では甘いスキンシップがないと落ち着かない。
唇の温もりをうれしく思いながら微笑み合い、ネクタイの結び目に長い指をかけて緩める彼と廊下を進んでダイニングに向かった。
「すごいごちそうだな。全部小夜子が作ってくれたのか?」
テーブルに並んだローストビーフとパエリアを見て、彼が珍しく大きな声をあげる。
「うん。だって今日はバレンタインでしょ。本当は手作りチョコを渡したかったけど、直君は甘い物が苦手だから料理をがんばってみました」
冷蔵庫にはデザートの手作りコーヒーゼリーが入っている。
定時で上がってから食材を買って料理するのは大変だったけれど、サプライズが無事成功してうれしい。
満足げに笑みを漏らすと、彼も微笑み返してくれた。
「そうか。ありがとう。一瞬、お祝いかと思ってビックリした」
「お祝い?」