初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
「もちろん、公使に任命されたからには仕事もがんばるさ」
聞き慣れない『公使』という立場が、一般的な会社のどの役職にあたるのか見当がつかないけれど、彼のにこやかな笑顔を見たらいいことがあったのだとすぐにわかる。
「直君、出世したのね?」
「まあな」
「おめでとう!」
背伸びをして彼の頬にお祝いのキスをすると、お返しのくちづけが額に降り落ちてきた。
「昇進できたのも小夜子の支えがあったからだ。ありがとう」
「私はなにもしていないよ」
「そんなことない。小夜子が俺と結婚して赴任先について来てくれると聞いたから、安心して仕事に打ち込めたんだ。本当に感謝している。ありがとう」
出世したのは彼の努力の成果なのに、私を気遣ってくれる優しさがうれしい。
「私、直君と結婚してよかった」
「俺もだ」
胸に込み上げてきた思いを伝えて、唇を熱く重ね合う。
恋人や夫婦が愛をたしかめ合うバレンタインデーに相応しい日になったと思いながら、甘い物が苦手な彼ととびきり甘い夜を過ごした。