初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
「ん? そうだな……。似ているとしたら、真っ直ぐな黒髪くらいだな」
彼が私の顔をじっと見つめながら、あっさりと言う。
「そうなんだ」
「ああ」
元カノに対する未練など一ミリも感じない返事を聞いた瞬間、胸に燻っていたモヤモヤしていた気持ちが嘘のように晴れていった。
麻里江さんに『あなた、美琴に似ているわ』と言われたからといって、不安になるなんてどうかしていた。
彼に対して申し訳ない気持ちが込み上げてくるのを振り払うように、逞しい胸に頬を寄せる。
「小夜子の体温を感じると安心する」
「うん。私も」
彼の腕が背中に回るなか、顔を上げると瞬く間に唇を塞がれる。
情熱的なキスは私と会えない寂しさを感じていた証拠。二週間分の思いを込めて、何度もくちづけを交わす。
「これだけじゃ足りない。もっと小夜子を感じたい」
「私……も……」
キスの合間に途切れ途切れに返事をすると、寝室に移動してベッドになだれ込む。
ふたりきりの時間はたっぷりあるというのにお互いの体を性急に求め、獣のように熱く肌を重ねた。