初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~

体のけだるさを心地よく思いながら、ベッドの上で彼の素肌にピタリと寄り添う。

ついさっきまで乱れていた呼吸も今は整い、幸せな気分でいっぱいだ。

「小夜子がウィーンに来た後の話だが、物件を何軒か見て回って新居を決めたいと思っている。それまでは今俺が仮住まいをしているアパートスタイルホテルで暮らすことになるが我慢してくれ」

「アパートスタイルホテル?」

聞き慣れない言葉に首をかしげる。

「客室にキッチンと家電製品が設置されているホテルのことだ。部屋は広いし、ホテルのレストランも会員価格で利用できるから不自由はしないと思う」

「そうなんだ」

「ああ」

彼と一緒に暮らせるのならどんな場所でもかまわないと思っても、初めて経験するアパートスタイルホテルでの生活に期待が膨らむ。

ホテルで暮らしながら新居を探すなんて贅沢だと頬を緩めていると、彼が上半身を起こした。

「それで新居が決まったら、一番広い部屋にグランドピアノを置きたいと思っているけどいいか?」

今日の講師演奏でピアノを弾く喜びを再認識したばかり。しばらく演奏できない寂しさを感じていた矢先の言葉に気分が舞い上がる。

「うれしい。ありがとう!」

興奮気味に体を起こして彼の首に腕を巻きつけると、以前ふたりで交わした会話が脳裏に浮かぶ。
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