初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
他愛もない会話を交わしていると、あっという間にホテルに着いてしまった。
まだ話し足りないけれど、直君とは明日もまた会える。
「今日はありがとう」
別れがたい気持ちを堪えて、お礼を伝えた。しかし、予想外の言葉が返ってくる。
「部屋の前まで送る」
そこまでしてくれなくて大丈夫だと言おうとしたものの、私の返事も聞かず、先にホテルの回転ドアを通ってしまった。
意外と強引なところがあるんだ。
新たな一面に戸惑いつつ、エレベーターに向かう彼を追う。
「何階?」
「七階です」
中に乗り込み、彼がボタンを押す。
私の身長は百五十八センチ。今日は七センチヒールのパンプスを履いているというのに、彼の目を見て話すには顔を上に向けなければならない。
高身長でルックスのいい彼から目を離せずにいると、思いがけない言葉がエレベーター内に響いた。
「本当に綺麗になったな」
彼が私の目を真っ直ぐ見据えて甘くつぶやく。
今日はワインとシャンパンを飲んだけど、たったあれだけの量で酔うとは思えない。
「きゅ、急にどうしたの?」
お世辞なら控え室ですでに聞いた。再びの褒め言葉の意図がわからず、首をかしげて彼の顔を見上げる。