初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~

職場で配るお土産のチョコレートを買い、彼に手を引かれて歩を進める。

シュテファン大聖堂の展望台からの眺めは素晴らしかったし、土産店やカフェ、ホテルにブランドショップが建ち並ぶケルントナー通りを散策するのはとても楽しい。

「ねえ直君。次はあのお店を見てもいい?」

「もちろん」

ウィーンに本店をかまえる、クリスタルジュエリーブランドのショップに足を踏み入れた。

ショーケースの中に並んでいるアクセサリーが、照明の明かりを受けてまぶしい光を放つ様子は綺麗で心が弾むのを止められない。

上機嫌で商品を見て回り、両親には白鳥をモチーフにした置物を、友人にはチャームキーホルダーを、そして自分用にピンクのクリスタルピアスを選んで購入手続きをする。

このクリスタルジュエリーブランドのショップは日本にもあるけれど、ピアスはセール価格だし、ほかの物も本店限定デザインだ。

いい買い物ができたと満足していると、真剣なまなざしでショーケースを覗き込んでいる彼の姿が目に留まる。

いったい、なにを見ているのか気になったけれど、会計の最中にこの場を離れるわけにはいかない。
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