初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~

『それじゃあ、楽しみにしている』

「私もとても楽しみ。連絡ありがとう」

食事の誘いをデートと受け止めていいのかわからないけれど、直君とまた会えるだけで満足だ。

名残惜しく通話を終わらせると、彼と交わした短い会話の余韻に浸る。でも、すぐにまた声を聞きたいという思いが込み上げてきてしまう。

彼に対する思いが日に日に募っていくのを実感して店内に戻ると、真紀が待ちわびたように口を開いた。

「どうだった?」

「来週の土曜日に食事に誘われた」

「そっか。よかったね」

「うん。ありがとう」

自分のことのように喜んでくれる真紀の様子をうれしく思いつつ、再びグラスをカチンと合わせてワインを飲み干す。

ハッピーな気分で飲むお酒は、格別においしい。

上機嫌でワインを追加オーダーして、料理を口につけた。

直君に会いたいという悩みが解決すると、今度は真紀の恋愛事情が気になる。

「ねえ、春君とは結婚を考えているの?」

真紀には付き合って二年になる(はる)()君という、同じ歳の彼氏がいる。

春君を紹介してもらうために一度だけ三人で食事をしたけれど、イケメンで話上手だったのを覚えている。

「私たち、まだ二十七歳だよ。結婚は早いでしょ」

「そうだよね」

真紀の考えを聞いたら、以前、父親に言われた『もう二十七歳だろ』という言葉を思い出してしまった。
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