初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
「直君は忙しいんでしょ?」
「まあ、そうだな。暇なときはないな」
外務省に勤めている彼が、どんな仕事に携わっているのかわからないけれど、とにかく大変そうだというのはすごくわかった。
「忙しいのに誘ってくれて、ありがとう」
「いいえ、どういたしまして。そろそろ握りを食べるか」
「うん」
話しやすい話題を振り、食事の頃合いを見計らってくれる彼はとても頼りがいがある。
やっぱり私は、直君が好き。
改めて自分の気持ちと向き合い、この先どうしたらいいのか考えを巡らす。
お見合いの相談をするよりも、思い切って好きだと伝えてしまった方がスッキリするのかもしれない。
お酒を飲んだせいで気が大きくなっているのか、自分でも驚くような大胆な考えが浮かぶ。でも、告白したことで気まずくなって、今後会えなくなるのは寂しすぎる。
ひとりで頭を悩ませていると、彼に顔を覗き込まれた。
「難しい顔をしてどうした?」
「そ、そんなに変な顔していた?」
肩が触れてしまいそうな距離を意識してしまい、思わず声が裏返る。そんな私をおもしろがるように、彼が小さく笑い出した。
「ああ。ここにシワが寄っている」
彼が長い人差し指で、私の眉の間を軽く突く。
「っ!」
突然のスキンシップに驚き、眉間に手をあてて放心する私を見て、彼がさらに笑い声をあげた。