初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
「ああ。いろんな国で暮らして語学に長けているのだから、そのスキルを活かせる外交官になったらいいんじゃないかってアドバイスしてくれた。海外でバリバリ仕事をこなす父親を見て育ったせいもあって、心のどこかで外交官に憧れがあったんだと思う。ああ、それもいいなと自然に思えた。それから日本の大学に入学して、国家公務員総合職試験の合格を目指して猛勉強した。今は外交官という仕事にやりがいを感じている」
想像を絶する過去を打ち明けてくれた彼の表情は晴れやかで、私まで清々しい気持ちになる。
努力を惜しまない彼を尊敬する思いと、好きという感情が胸いっぱいに広がるのを実感していると、思いもよらない言葉が耳に届いた。
「ウィーンで再会したとき、とても綺麗になった小夜子ちゃんを見て驚いた。あの瞬間、俺は恋に落ちたんだ」
二十年振りの再会にお互い目を丸くしたものの、彼はすぐに落ち着きを取り戻し、なにごともなかったように演奏に集中していたのを覚えている。
クールな彼に恋に落ちたと言われても、すぐには信じられない。
「本当に?」