君は。
☀︎☼

「行こ」
「あっあぁ」

学年主任の話を遮るように直は踵を返した。
階段を降りる一歩手前で俺はある忘れ物に気づいた。

「ごめん。俺、忘れ物したかも」
「は?」直が困ったように眉毛を動かす。
「ごめん。先帰ってて」
「本当に澪は多いよな」太陽は笑って俺の肩を小衝く。
「ごめん、ごめん。多分すぐ追いつくから」
「了解」二人は声を合わせてそう返事した。

俺は走って4階まで駆け戻る。
手を扉にかけたところで
「あ」
鍵が無いことに気づいてしまった。

「まじかよ。また2階まで戻らなきゃなんねーじゃん」盛大に溜息をつき、残念がるのと同時に呼吸を整える。

もう、明日で良いかと諦めようとした時だった。

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