君は。
「全然待ってねーよ。あれ、直は?」
そう言いながら太陽は当たりを見渡す。

「あー。あいつはあれだよ、あれ」

「あぁ。また呼ばれてんのかぁ?」

「そーそー。ほんとにすげーよな、初日なのに」

登校初日に先生に呼ばれるのはよっぽどの悪ガキか直くらいだろう。

熊谷直は太陽と同じく小学校からの付き合いだ。

だが、直は中学受験組なので実質3年間ぶりに学校では顔を合わせることになった。

一言で表すなら、直は天才だ。

故に何故直が一貫の大学進学を希望したのか謎なのだ。
もっと有名な大学へ進めばいいのだが、
初日からまだ諦めきれない先生が引き留めているのだろう。天才も大変だな。

「職員室前で待っとこーぜ」

「そうだな」
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