宿敵御曹司の偽り妻になりました~仮面夫婦の初夜事情~


「どうして…。」

「ああ、お帰り。」

陸は楽なスウェット姿で、随分とリラックスしている。

「どうして、ここにあなたがいるの?」

「一週間前、俺が質問したかった言葉と同じだな。」

「私、真面目に聞いているのだけど…。」
「俺も、大真面目だよ、一花。」

一花はそれ以上、陸と睨めっこする気分にはなれなかった。
それ程、疲れ果てていた。

「悪いけど、今は話したくないの。失礼して休むわね。」

クルリと背を向けた一花に、陸は声を掛けた。

「待ってくれ!」 

そして、後ろからそのほっそりとした身体をギュッと抱きしめた。

「一花…。」


「離して…。」


< 72 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop