宿敵御曹司の偽り妻になりました~仮面夫婦の初夜事情~
「どうして…。」
「ああ、お帰り。」
陸は楽なスウェット姿で、随分とリラックスしている。
「どうして、ここにあなたがいるの?」
「一週間前、俺が質問したかった言葉と同じだな。」
「私、真面目に聞いているのだけど…。」
「俺も、大真面目だよ、一花。」
一花はそれ以上、陸と睨めっこする気分にはなれなかった。
それ程、疲れ果てていた。
「悪いけど、今は話したくないの。失礼して休むわね。」
クルリと背を向けた一花に、陸は声を掛けた。
「待ってくれ!」
そして、後ろからそのほっそりとした身体をギュッと抱きしめた。
「一花…。」
「離して…。」