キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
さて、お兄ちゃんと暮らすマンションに着いたのだが。
玄関に入り靴を脱ぐ前に荷物を置いた智成が私を壁に追い込み顎を捕らえた。
「あっ、とも……」
性急に唇を塞がれ息をするのもままならないほど深く舌を巻き取られた。
苦しくなって何とか離れてもらおうと胸を押したけどびくともせず、逆に手首を取られもう片方の手は腰を抱かれ身動きまでできなくなった。
執拗なキスに腰砕けになって力なく智成に寄りかかるとやっと唇が離れた。
「もうっ、はあっ、はあっ、はあっ……」
文句を言いたいのに息が上がって言葉が出ない。
なのに智成はまたキスしてこようとする。
「だっ、だめっ!」
逃げるように顔を横に向けると頬に唇が当たった。
「なんだよ、ここまで我慢してたんだキスさせろ」
不機嫌な智成を見上げれば公衆の面前はだめと禁止したのがいけなかったのか、我慢の限界だとでもいうように欲情をたたえた瞳をギラつかせていた。
「もう、十分したでしょ」
「まだだ、全然足んない」
そんなことを言いつつ、強引なキスから一転くいっと顎を取られチュッと軽いキスを落とした智成は、欲情を潜ませると少し困った顔をする。
「だめか?」
「だめ……」
そんな、子犬のようなかわいい顔されて、ダメなんて言える女がこの世にいるだろうか?
イケメンな上にかわいいとかズルすぎる。
「……じゃない」
ちょっと意地悪く溜めた後に言うと、眉をひそめた智成が目を見開いた。
イケメンで、意地悪で強引で、優しくてかわいい智成が私の恋人だなんて、改めてすごい人と付き合ってるんだなあ、と、感慨深く智成を見つめた。
智成は嬉しそうに目を細め優しくおでこにキスをくれる。
それはこめかみ、目尻、頬に降りていき、じらすように鼻、顎、とキスをした後目が合った。
にっこり笑いあうと最後に唇へと優しくキスが降り注ぐ。
優しく甘く穏やかなキスに幸福感が増す。

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