キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
またぼーっとしてると、ドタッっと廊下で音がしてびくっと肩が跳ねた。
ここはセキュリティがしっかりしていて不審者が入ってくることなどありえないけど、ドタドタと尋常じゃない足音に思わず恐怖心が沸き起こって体が硬直する。
ガチャっとドアが開き、ようやく待ち人が帰ってきたと思ったのと同時に、スーツ姿に仕事だったんだと思うとほっとした。でも、彼があまりにも驚いた顔をしているからなんだか気まずい。
「ま……」
「あ、えっと、お帰り、智成」
苦笑いで言うと、一瞬絶句し呆けた顔になっていた智成は真顔になりすたすたと歩いてくるといきなり抱き締められた。
「茉緒……!」
まるで数年ぶりに逢ったかのように感無量で私の名を呼んだ智成に私まで感極まって涙が滲んだ。
必死に私を抱き締める腕に苦しくてもうれしくて智成の背中に腕を回ししがみついた。
「逢いたかった」
「俺も」
自然と出た言葉に智成も返してくれて、今まで悩んでたのが嘘のように、‟ああやっぱり私智成が好きだ”と思った。
暫くのきつい抱擁の後、そっと離れた智成は私の頬に触れくすぐったくて肩を竦めた。
見上げれば切なげに微笑む智成の瞳に胸がきゅんっと鳴った。
近づいてくる気配に自然と目を瞑るとそっと唇に柔らかく少し冷たい感触が降ってきた。
一瞬離れてまた触れて温もりの戻ってきた唇で何度も軽くキスをされ、それだけじゃ物足りなくなった私が小さく口を開くと、待ってたかのように濃厚に唇を塞がれぬるっと熱い舌が口内に入ってきた。
縦横無尽に動き回る舌は私の舌を絡めとるとじゅっと唾液と共に吸われ、砕けそうになる腰を支えられキスは貪るように激しくなる。
「はあっ、ともっ……」
息が上がりさすがに苦しくなってバンバン智成の背中を叩いた。
こうでもしないと智成はキスに夢中になって止まってくれないのを今までの経験で覚えてしまった。
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